So-net無料ブログ作成

「しずくいしの小さな伝記」発刊

_DSC1878小さな伝記.才吉さん_3.jpg

「小さな伝記」というテーマで写真を編んでいる。

フリーのカメラマンということで、日々、いろいろな場所に出かけて撮影していることになるのだが、依頼仕事、自主的に行っている撮影を含めて、いろいろな人や光景との出会いがある。

出会いとはいつも予期せぬできごとで、ふいに僕の前に現れる。後に残っていく出会いは、たいてい、会った瞬間に何かを感じ取ることからはじまる。

たとえば人であれば、声や表情、手のひら、何よりもたたずまい。
それらが一瞬のうちに僕のなかに入ってくる。それはたとえば、人を好きになるような瞬間にも似ているのかもしれない。でも、そこですぐにその人のなかに入っていけるものではない。
ほんのわずかな会話を交わして別れることがほとんどだ。

でも、別れてから、その人の印象が僕の中で大きくなる。
その人のたたずまいが、しんしんと僕の中に沈んでいく。

それは雪よりももっと重く、そう、おだやかに降る雨にぽつりぽつりと濡れていくような感覚に似ている。

そんな小さな出会いを、僕は、ずっと写真に撮っていきたいと思う。

日々のなかには、小さなことだけど忘れてはいけないこと、思い起こすととても大切なこと、なぜか心に残っている光景、会話。僕たちの日々とは、日常のそうしたフラグメントを繋ぎ合わせて、あるいは積み合わせて、生きているというリアリティーを作っているのだと思う。
そして、そのリアリティーこそ、自己と呼ぶべきものになるのだろう。
自己とは決して捉えどころのない怪物なのではなく、もっと単純に、過ごしてきた時間とその中身が醸されて、その人ならではの何か、つまり自己というものに育っていくのだと思う。

「小さな伝記」とは、被写体になっていただいたそれぞれの方の日常のフラグメントを写真と言葉で綴ったものだ。何もドラマは起こらない物語は物語と呼ぶには痩せてみえるかもしれない。

それでも、この伝記のなかには、誰にとっても意味のある何かがあると信じている。それは、実際に僕自身がこれらの出会いから多くのものを得てきたという経験があるからだ。
小さくても伝えるべき出来事。小さな伝記の意味とはそういうことだと考えている。

これまで、この「小さな伝記」は、集英社のRENZABURO(作品ページhttp://renzaburo.jp/contents/047-okuyama/047_hyoshi_001.html  トップページhttp://renzaburo.jp/)という文芸サイトで連載させてもらっていたが、このたび、地元の岩手県雫石町のサポートを受けて、一冊の本にすることになった。

内容は、雫石の出会いに限定し、この土地と人をテーマにした三話の伝記に、これまで撮りためた雫石の風景の日常を挟み込んだ。
写真と言葉の間を行ったり来たりしながら読み進んでいくと、雫石の穏やかな日常とそこに暮らす人のたたずまいが伝わってくると思う。

限定1000部全64ページ(4色カラー)で800円。雫石町役場観光推進室(019-692-211)で購入できるほか、僕のメールアドレスa-oku@cf6.so-net.ne.jpに直接ご連絡をいただいても購入可能です。
もしよろしければお手にとっていただけると幸いです。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。